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取材後記

麻生ヤマユリ植栽普及会


ヤマユリの今昔

かつて、初夏7月の頃になると、麻生の里や多摩の丘陵にかぐわしく咲き乱れるヤマユリは、地域の人々にとって見慣れた景色でした。百合が丘は、その名の通りヤマユリが咲く里山でした。日々大小の宅地開発が進み、緑が失われていく中で、いつしか忘れ去られ、その姿がほとんど見られなくなっている。
わが国のユリは、明治から昭和の初期まで、欧米諸国に球根が大量に輸出され、一時期は、養蚕と同じように一大輸出農産品であった。しかし、欧米による品種改良が急速に進み、日本特産のユリは席巻され、カサブランカ等が園芸店を独占するようになってしまった。

ヤマユリなどのユリの特徴
ヤマユリを含むユリは、他の球根植物と違って、球根の上(上根)にも下にも根(下根)があり、上根には木子(きご)が付く。
ユリを咲かすには球根を植えればよいが、増やすには、球根を切り取った鱗片による方法、木子による方法、種子による方法の3つがある。初心者の方には球根を育てて花を咲かせ、秋(11月)の球根の植え替えのときに、木子をとって増やす方法がおすすめである。ここでは、全ての方法について、簡単に以下に説明する。

①球根からの育て方
(1)球根の植つけ(11月、右図に示す)
(2)表土が乾いたら、底から水があふれる程度にタップリ水やりする。
(3)薬剤調合:ベンレート水和剤500倍液
+オルトラン1000倍液+展着剤
・4月中旬:発芽:用土面にも散布
・5月初旬:茎立ち10㎝:若葉に散布
・5月下旬:蕾のつき始め:蕾周辺に散布
・6月初旬:花茎の形成時:散布
・梅雨時期:毎週、全体に散布
(4) 鉢は、半日陰の場所で、ナメクジ、害虫よけに敷石の上に置き、寒冷紗等のネットで覆うこと。
(5)来春 発芽したら梅雨明け頃まで、ほぼ1週間ごとにベンレート(500倍液)オルトラン1000倍液を散布する。
(6)3年目の秋11月には、植え替える(株分け)。
(7)ヤマユリは特にウィルスによる病気に弱いので消毒が欠かせない。
(8)図にも示したが、球根は深く植えること。

②木子からの育て方
(1)球根の上根から木子を取る。
(2)プランターに鉢底石を深さ3cm程度まで入れる。
(3)続いて、配合土を8分目程度まで入れる。
(4)割りばしなどで4センチメートルの間隔で穴を開ける。深さは木子の2/3程度。
(5)木子の頭が1/3出るくらいに植える。
(6)底から水か出る程度にかん水とベンレート500倍液を散布する。
(7)その後の水やりと消毒は球根と同じ。

<続く>


麻生ヤマユリ植栽普及会
みごとな開花(7月)

麻生ヤマユリ植栽普及会
ユリの特徴(球根の上に木子ができる)

麻生ヤマユリ植栽普及会
球根からの育て方

麻生ヤマユリ植栽普及会
球根の上根についた木子

麻生ヤマユリ植栽普及会
切り取った木子

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  2019-04-19
麻生ヤマユリ植栽普及会
代 表:高橋(たかはし)  雄(ゆう)介(すけ)
連絡先:事務局 山田(やまだ)
Tel.090-2565-3390
設 立:2007年12月
会員数:13名(男性8名、女性5名)
会 費:1200円/年
活動日:緑地活動 毎月1回~2回
定例会 原則毎月第3木曜日
14時~2時間程度
活動場所:区内の緑地及び交流館やまゆり

取材・文 中島久幸
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