点字とその書き方 視覚障がい者が使う文字の点字は、一般的に6点式と言って、6個の点うちの黒点の配置によって意味を表わす。この黒点の部分を、点字器と点筆を使って、点字用紙に1点ずつ押し付けて凹点を作り、それを裏返し、凸点を指で触って読む。 この道具は軽くて持ち運びやすい利点のほか、1点ずつ押し付けるので、初めて点字を覚えるためにはよいが、作業に時間がかかる。 したがって、ある程度慣れてくると点字タイプライターを使うようになる。この道具は、左右3個の指置きに左右3本の指を置き、6個の点のうち黒点の部分に力を込めて押す。1つの動作で1文字の凹点が作れるほか、用紙が自動的に送られるので、作業が早い。 街角で見かける点字の例 ここでは、街角で比較的良く見かけるビルのエレベータでの例をあげて説明する。 典型的な例として、1階の入り口から入ってエレベータに着いたとする。そこにはたいていの場合、希望する行先の階を選択する数字の押しボタンがある。そこでの点字は、写真に示したように「数字」である。地上階の場合は「ちじょう」は省略されているが、地下階の場合は「ちか」と「数字」である。 一旦、地下1階に降りて、上階に行く場合は↑(上向きの矢印)のボタンを、下階に行く場合は↓(下向きの矢印)のボタンを押すが、その横にはそれぞれ「うえ」または「した」の点字がある。また矢印の押しボタンの下には、必ず「ちか1」のように、自分がどの階にいるかを知ってから上階、下階行きの矢印が選べるように、その階を表わす点字がある。 ビルによっては、先ず上階に行く場合の↑(上向きの矢印)のボタン、または下階に行く場合の↓(下向きの矢印)のボタンを押し、エレベータに乗ってから行先階の数字のボタンを押す場合があるが、点字を表示するルールは同じである。 エレベータのドアの開閉は自動的に行われるが、自分で操作したい場合のために「ひらく」と表示されたボタンと「とじる」と表示されたボタンがあり、点字ではそれぞれ「あけ」と「しめ」となっている。 点字を探しに街に出よう ここではエレベータでの例を説明したが、街では意外な場所で点字を目にすることができる。その場合、読めないと興味が半減してしまう。「点字50音表」で検索すると、1マスで書く清音、長音、促音、2マス使う濁音、半濁音、拗音、拗濁音、拗半濁音、長音、促音の点字が出てくる。また「点字数字表」で検索すると数字が出てくるので、これらの表を持って出かけよう。 最後に 白い杖を持った視覚障がい者を見かけたら進んで声をかけよう。その場合、特に注意することは3つ。 1.相手を驚かせないようにそっと肩に触って声をかける 2.先ずは「何かお困りですか?」と、さりげなく 3.誘導するときは相手に右腕をとらせて左側を歩く。 ホームで見かけた場合は特に積極的に! |
点字器と点筆 点字タイプライター 1階乗場での行先階を選ぶ点字 上から「2」、「1」、「ちか1」 地下1階の場合の乗場の点字 ↑の左は「うえ」、↑の下は「ちか1かい」の点字 上、下を選ぶ「↑、↓」ボタンの下には、必ずその階の表示がある エレベータ内の開閉を選ぶ点字 ひらくは「あけ」、とじるは「しめ」 |
[元稿に戻る] | |
2019-04-19 | |
点訳グループ 木の芽会 代 表:天木(あまき) 佐代子(さよこ) 連絡先:Tel.044-900-3054 設 立:1985年4月 会員数:28名(男性:2名、女性:26名) 会 費:2000円/年 活動日:第2、第4月曜 10時~12時 活動場所:川崎授産学園 |
取材・文 中島久幸 |