芸術・文化の街、と賑わう麻生区でも、65歳以上の老年人口割合は23.4%(うち75歳以上は12%)と、川崎市でも一番高い。 ひとり暮らしや老人施設などで話し相手がなく、寂しさや不安を抱えて、社会的に孤立している高齢者も少なくない。 「傾聴あさお」は、そういう人たちの話に耳を傾けて、話し相手になり、心のケアを援助する傾聴ボランティアのグループである。 会員は「傾聴ボランティア講座」の修了者で、50~80代と幅広い。 ボランティア活動のきっかけは、親の介護の経験、傾聴講座を生かしたいなど、さまざま。 現在は、区内の各種老人施設15カ所、個人宅4軒を、先方と相談して月に1~数回、各回1~数人が訪問し、1時間を目安に傾聴している。メンバー各自の活動は、月2~3回になる。 「傾聴とは?」と、五月女由起さんに聞いた。「ひたすら相手の話に耳を傾けて、じっくり聴くことです。そして、こころにやさしく寄り添い、相手の気持ちを受け止めることです」と、話し手を尊重することの大切さを話した。 利用者との話は、様子や表情を見ながら、家族やふるさと、思い出や季節の風物詩など。初恋の話をされて「このこと、秘密よ」と頬を赤らめて話された人も。 メンバーの原田美津子さんは「利用者の『ありがとう』『また、来てね』『笑顔』が最高のご褒美でやりがいを感じます」と、話した。 「聴」の字体のごとく“目と耳と心でしっかり聴くこと”が傾聴の基本のようだ。 *文中の人口割合は、平成30年10月1日現在 |
利用者の話を聴く、小林雅子さんは傾聴歴7年(片平長寿の里にて) |
2019-12-01 | |
傾聴あさお 代 表:五月女 由起(さおとめ ゆき) 連絡先:麻生区社会福祉協議会Tel.044-952-5500 設 立:2013年4月 会 員:40名(男性5名、女性35名) 入会金:なし 会 費:1200円/年 活動日:定例会 毎月第2火曜 10~12時 活動場所:(定例会)福祉パルあさお研修室 |
取材・文 石﨑純也 |