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取材後記

新百合ケ丘新体操クラブ


 新体操には女子種目と男子種目があるが、種目の内容は大きく異なる。女子種目は柔軟性が高く華麗な演技に特徴があり、男子種目は宙返りなどのタンブリング(床やマットの上で跳躍や回転を行なう運動)や力強い演技に特徴がある。

 女子種目は多くの国で行なわれており、1963年にハンガリーのブタペストで第1回世界新体操選手権が開催された。1984年のロスアンゼルスオリンピックから個人総合が正式種目として採用され、1996年のアトランタオリンピックからは団体も正式種目となった。

 一方、男子種目は日本が発祥の競技である。今のところ国際体操連盟には正式種目として認められていないが、2000年から本格的に指導者を海外に送り、2005年にはアメリカ、オーストラリア、ロシア、カナダなどが加わり国際化がはじまった。オリンピックの正式種目としての採用が悲願であるが、2016年リオ五輪の閉会式で次期2020東京大会への引き継ぎセレモニーで、青森大学男子新体操部員約20名がダンスパフォーマンスを披露した。

 以下は主に女子種目について述べる。
 
 新体操ではぐくまれる効果としては、①柔軟性・リズム感・バランス感覚が身につく②姿勢が良くなる③表現力が豊かになる④人前で踊るため、物怖じしなくなるなどである。また、演技のときにはスパンコールやラインストーンをつけたレオタードと、髪飾りで着飾るので女子らしい楽しみも加わる。

 演技は個人と団体でおこなうが、個々の演技に対しての評価は、①正しい動き方と美しい身のこなし②正しいフォーム、すなわち身体の軸が真っ直ぐで、膝が伸び、床から離れたつま先が伸びている、かかとの位置が高く、甲が出ているなど③ジャンプやピポッド(回転)でのバランスや柔軟性など。④更に演技の最中に笑顔を見せることも求められる。演技に集中しながら笑顔を見せるには、心に余裕がなければ難しく、特に幼い女子には過酷な課題である。⑤また、デュエット、団体ではそれぞれの演技の同調性が問われる。⑥更に使用する手具ごとに定められた評価が加わる。

 使用する手具ごとの説明を簡単におこなう。

1.ロープ(縄):空中に投げてキャッチしたり、身体に巻きつけたりする。持ち方や投げ方のテクニックはもちろん、軽やかなステップやジャンプにも注目。

 2.フープ(輪):高く投げたフープを体を通して受け止めるといった高度なテクニックと、ダイナミックな動きが見せ場。

 3.ボール:手具であるボールが小さい分、特に体や動きの柔軟性が重要である。腕や背中などで転がすボールが、身体に吸いつくように流れる動きが見どころ。

 4.クラブ(コン棒):長さ40〜50センチメートルのクラブの演技では、必ず2本をセットで使う。左手で回しながら右手で投げるなど左右で異なった動きをすることもあり、常に双方を意識しなくてはならず、より集中力が必要とされる分、落下も起こりやすくなる。投げ上げたクラブが床に落ちた瞬間に足で抑える演技もある。

 5.リボン(帯状布):長さ6メートルもあるリボンを操るのは見た目以上に難しい。しかし、選手は意のままに操り、まるでリボンが生きているかのような美しく繊細な動きを見せる。しなやかな体とリボンの柔らかい動きに選手の笑顔が調和したとき、観客も思わず笑顔になってしまう。

 6.ゴース(大きな布):シルク、レーヨンまたはポリエステル素材のオーガンジー(平織で薄手、軽く透けている生地)を大きな正方形や長方形、円形に仕立て、何人かの演技者が隅を持って走ったり、投げたり、ふくらませたり、くぐったりする。布の予期しない動きに演技者の動きがうまく重なると見栄えがする。特に円形のゴースを投げあげ、クラゲの形になるのも見せ場のひとつである。
なお、ゴースは試合の正式種目にはないので、発表会や演技会でのみ行なわれる。


新百合ケ丘新体操クラブ
ロープ



新百合ケ丘新体操クラブ
フープ



新百合ケ丘新体操クラブ
ボール



新百合ケ丘新体操クラブ
クラブ



新百合ケ丘新体操クラブ
リボン



新百合ケ丘新体操クラブ
ゴース



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  2020-04-15
新百合ケ丘新体操クラブ
代 表:青木(あおき)美智子(みちこ)
連絡先:mail:shinyuri.rg@gmail.com
設 立:1984年4月
会 員:67名(女子のみ)(助手:女子大生、社会人8名)
会 費:幼児クラス4000円/月、Aクラス(小学1年~4年)Bクラス(5年以上)とも5000円/月(入会金5000円)
活動日:毎週水曜、幼児クラス15時30分~16時30分、Aクラス17時30分~19時、Bクラス19時~20時30分
活動場所:麻生小学校体育館、麻生スポーツセンター
URL:https//shinyuri-rg.jimdofree.com/

取材・文 中島久幸
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