形(かた)を教える先生の声が稽古場に響きわたる。刀が空気を斬るシュッという音が小気味いい。丹新会の新百合ケ丘道場を取材した。会で学ぶ無外流居合兵道は、1693年(元禄6年)に流祖辻月旦(つじげったん)が興した。 練習は独りで行う基本と形の稽古と、2人で対峙し間合いと体捌き(たいさばき)を学ぶ組太刀だ。まずは先生が手本をみせ、一斉に刀をふるう。鯉口を切って抜刀し、突いて斬るまでの前半は、体捌きと刀の動きが素早い。斬って刀を鞘に納めるまでは速いが、後半の残心(ざんしん)はユックリなのが印象に残った。息づかいが荒くなり、取材当日は肌寒かったが、ひと休みごとに額の汗を拭う。模造刀や木刀を使うが、距離を十分とって安全第一なので安心していい。初心者用にはウレタン樹脂を巻いた柔らかな木刀を貸してくれる。 3ケ月から半年通えば恰好がつくという。意欲が上達の秘訣とのこと。審査は昇級が適時、昇段が年1回。級段ごとの国際大会(3段で優勝経験あり)もあるので励みになる。 揃えるものは稽古着、袴、下帯、膝パット、模造刀に木刀。健康維持や武道好き、日本刀好きからはじめる人が多いが、初心者大歓迎、気軽に訪ねてほしい。 |
右足は真後ろに引き、刀は水平に構え、このあと斬り下ろす。一連の動作が素早い 威儀を正して刀は右に(前列中央右から4人目が代表の石川さん、左が先生の横山さん) |
2021-12-01 | |
無外流居合兵道 丹新会 代 表:石川泰三 連絡先:.090-1467-9353(横山 勉) 設 立:2008年10月 会 員:90名(男性:75名、女性15名) 10歳~80歳代、無級~7段 入会金:1500円 会 費:5000円/月 活動日:毎週日曜 9:00~12:00 場 所:麻生スポーツセンター 武道室、 麻生市民館 体育室 H P:http://www.tanshin-kai.sakura.ne.jp/ |
取材・文 中島久幸 |