「リラの会あさお」(以下「会」という)は、パーキンソン病(注) (以下「PD」という)の患者と家族の会である。会の目的は会員が、①安心して寛げる場所を作り、親睦を図る、②楽しく行えるリハビリを見つける、③PDについて学び、また多くの方にPDを知ってもらい、気兼ねなく行動できるようにする、等である。 会員であり、事務局としても長年会を支えてきた金山郁子さんは「会は会員にとって貴重な存在だが、加齢、病状変化等により会員数は減っています。昨年、会の前身である『リラの会神奈川支部』を主導してきた田中みつるさんが退き、会の存否が問われました。辛い出来事でしたが、多くの方が存続を強く望み、また、今日同席していただいた佐野操さんという貴重な理解者を得て、改称して交流・親睦の場として存続できました。本当に嬉しかったです」と振り返る。 佐野さんは、PDの方を会に送迎していたのをきっかけに、夫妻で会を支えている。「例会ではリハビリ、気楽なおしゃべり、歌やゲームを楽しんでいます。他方、体調あるいは偏見や好奇の目線が嫌で出席できず、会報を楽しみにしている人もいます。そうした会員のために、送迎、会報の封入・発送等の作業をお手伝いしてくれる方がいてくれたらとても嬉しいです」と語る。 二人は、仮に会員が1人になっても、求められる限り活動を続けるという。その思いは、創設時から会を支えてきた高橋順子さん、山口睦子さんとも共通するようだ。 (注)PDは、神経性・進行性の疾患で、震え、動作の緩慢化、前屈姿勢で歩幅が狭い、反射が鈍く転倒しやすい等のほか、意欲低下、認知機能障害等様々な症状が知られ、複合病態として認識すべきと提唱されている。60歳以上では発症率1%程度とされる(計算上では、麻生区に500人超の患者がいることになる)が、適切な治療を行えば、通常、発症後10年程度は普通の生活が可能で、平均余命も一般と比較して2~3年短いだけである。また、公的支援制度もある。(厚生労働省「パーキンソン病診断基準」及び(公財)難病情報センター「パーキンソン病(指定難病6)」等に基づき要約、加筆した。) |
定例会でのリハビリ体操風景。距離は十分 金山さん(左)と佐野さん(右) |
2022-08-01 | |
リラの会あさお 代 表:小倉眞一郎 連絡先:Fax 044-966-2448(金山) 設 立:2021年4月(「リラの会神奈川支部」(2011年創設)を改称) 会員数:16名 会 費:1000円/年(行事等は実費) 活動日:毎月第3土曜日 13時~15時 場 所:麻生老人福祉センター(いきいきセンター) |
取材・文 仲原照男 |