オカリナは卵のような形をした笛である。そのほのぼのとした音色は何か人の心を引き付けるものがある。笛は吹息の気流を振動させて発音する。オカリナは本体の内部容積が大きいほど低い音が共鳴し、小さいほど高い音が共鳴する。オカリナには12個くらいの穴が空いている。穴をふさいでいくと未開放の内部容積が大きくなり音が低くなるという原理だ。 歌口に発音機構を持ったオカリナは音が簡単に出て、押さえる穴の数も比較的少なく取り付きやすい楽器である。しかしこれだけで済まないところが楽器の面白いところでもある。吹けば音が出るのだが大きな音を出そうと強く吹き込むと音程が上ずってしまう。逆に弱く吹き込むと音程が下がる。吹き込む息の微妙なコントロールが欠かせない。また音域も1オクターブ半と限られる。オカリナでは#あるいは♭がついた音符でも、穴のふさぎ方あけ方の組み合わせによって鳴らせる。曲の途中で転調され#や♭が3~4個ついた曲も演奏できる。これは高齢者には都合が良い。なぜなら両手の指を使った脳トレになるからだ。 オカリナ愛好会麻生は老人福祉センターのオカリナの基礎講座(2006年)をきっかけに発足し18年続いている。取材時は発表会を控え、曲の仕上げに余念がない。指導者の橋本愛子先生は教本をはじめオカリナ曲集も出版されているオカリナのスペシャリストである。オカリナの長所も短所も知り尽くしたうえでの面白い編曲、しかも強弱をつけての演奏を要求する。会員一同これにこたえる。楽器としては何かと制限が多いと説明してきたが発表会では「東京ブギウギ」、「汽車ポッポ」、「海、その愛」などなんでもござれの選曲と演奏に驚く。 代表の「Carpaccio,鈴木」氏、オカリナは「斉唱が素晴らしい」と力説する。音程を整えるのに苦労するこの楽器、斉唱の響きは、発表会で共感することができた。オカリナはもともと陶器の楽器で焼くとき縮むので機械製品のような同じものは作れない。微妙な個性を持ったオカリナの素朴な音が集まってメロディ―を奏でると、人の声の合唱のような豊かな響きになる。ここに18年の長きにわたり会が継続する秘密がある。大勢で奏でるところに楽しみがあるのだ。 ちょっと言うことをきいてくれない赤子のようなオカリナを、両手でそっと包みあやすようにやさしく息を吹き込むと鳴ってくれる。「どう今日はこの子機嫌がいいのよ」 優しい指導者と怪しい代表が引っ張るオカリナ愛好会麻生、発表会や慰問演奏会を通して地域と関わり合い、音楽の楽しみを伝えつづける。 |
マイクを使わず生音で斉唱する発表会 汽車ポッポを練習中 |
2024-12-01 | |
オカリナ愛好会麻生 代 表:Carpaccio,鈴木(かるぱっちょ・すずき) 連絡先:ocarina2910@gmail.com 設 立:2006年 会 員:12名(女性10名、男性2名) 入会金:なし 会 費:2000円/月 活動日:第1、3月曜日 活動場所:麻生老人福祉センター |
取材・文 景山 茂 |