2017年10月21日、10:30と14:00の2回、新百合21ホールにおいて、~障がい者との関わりからうまれた演劇~「大切な星を心にひとつ」の公演がおこなわれた。 取材は撮影にあたって自由がきく、公演前日の通し稽古である「ゲネプロ」についておこなった。 「ゲネプロ」を見るのははじめてであったが、演技はもちろんのこと、衣装、セット、小道具、照明、音響から時間の経過まで本番と全く同じだ。たまに裏方に対する演出家の指示が小声で入るが、役者は全く気にするそぶりもなく演技を続けるなかに、不思議な空気感と連帯感があって、新鮮な経験であった。あとから振り返ると、どうして観客席に人がいなかったのかと思うほど、不思議な時間であった。 ○あらすじ(公演のチラシより) 中学二年生の主人公、藤木愛理は障がい児の親子が訪ねる「おもちゃ図書館」に職業体験で通いはじめる。 それまで障がい児に接したことがない愛理は戸惑いながらも、館長の助言や、自閉症の長男がいる星乃家の母親やその弟と関わるうちに、次第に障がい児への理解を深めていく。 そんなある日・・・・ ○演劇の流れについて ○大希の家族、星乃家の紹介 父、母、長男、大希(自閉症)、弟、勇希の四人家族。 父は単身赴任中で、仕事のためとはいえ、障がいのある我が子を母親に押し付けていることに悩んでいる。 ○愛理が障がい児を理解していく 愛理は、「おもちゃ図書館」の「おもちゃ」にひかれて「おもちゃ図書館」を職業体験の場所に選んだが、障がい児と接することにとまどいを感じていた。 ある日、大希の忘れ物を届けに館長とともに星乃家を訪ね、はじめて障がい児がいる家庭の姿を目にする。大希がいたずらをしてもかばい合い、暖かく接する母と弟の姿や、大希が書いた優しい詩に接して、次第に心を開き、障がい児を理解していく。 特に「僕が生まれたのには理由がある」の詩に強く心をうたれた。その理由は、父と母が心から大希の誕生を望んだということ。 ○大希君失踪 ある日買い物に出ようとした母が怪我で入院し、大希のまえから姿を消した。不安になった大希は町中をさまよい、以前、家族と出かけた思いでのある海に行ってしまう。 弟や館長や愛理は必死になって大希を探す。愛理の学校の友達も協力する。そしてやっとの思いで大希を海辺で見つけ、無事な姿に皆ホッとする。 ○父帰る 入院はしたが、母の怪我はたいしたことはなかった。大希の失踪事件もあり、父はこれをきっかけに仕事を変えて、家族と一緒に過ごす決心をする。 ○フィナーレ 父が帰った家族、障がい児への理解を深めた愛理とその友達が一堂に会し、星空を眺めながら一人一人の命の大切さを語り、フィナーレの歌へ。 歌は「心に星を」。作詞:成澤布美子、作曲:西川利夏。 (ここで幕) ○反省会 稽古のあとは反省会。成澤さんは、先ずは各自の演技を大絶賛。ただし、ゆっくり進める場面と、スピード感が必要な場面に、メリハリをつけて観客を引き込むこと。最後の歌はモット声を大きくとの指摘があった。 |
家族で星空を眺め、思いを語るシーンではじまる 自閉症の大希を支える家族の日常 マヨネーズが大好きな大希は欲しくて自制がきかない 海岸で無事な大希を見つけホッとする弟、愛理とともだち 観客も思わず「よかった」とつぶやく 星空を眺めながら一人一人の命の大切さを語る 心が揺さぶられるシーンだ ハーモニー豊かに「心に星を」を歌う 作品にふさわしく、やさしい歌詞とメロディだ 明日の本番に向かって反省会も熱っぽい |
[元稿に戻る] | |
2019‐4‐19 | |
「心に星を」市民プロジェクト 代 表:矢澤(やざわ)耕一(こういち)・副代表:成澤(なりさわ)布美子(ふみこ) 連絡先:Tel. 044-954-4363(成澤) 設 立:2016年1月 メンバー:14名(内男性5名)30~70歳代 定例会:月1回(適時) 市民交流館やまゆりにて |
取材・文 中島久幸 |